世界の果てをつれて歩く

日常と幻想(笑)の間をうろうろしているどうしようもない人のブログ

ジャム用

今年の秋は暖かいように感じます。

11月ってこんなに20度を超える日があったっけ?って感じです。天気予報のデータはどうなのかわかりませんが、体感として暖かさを感じる秋だなと思いました。

この前なんかは、田んぼの近くの道で歩いている亀を発見!どこにでもいる外来種の亀、ミシシッピアカミミガメってやつだと思いますが、甲羅が大きくりっぱな亀でした。あまりにも亀らしい亀だったので、どこかのお家のペットが逃げ出したのかと一瞬思いましたが、体は泥でまみれているし、夏の田んぼのような生臭いにおいがしたので、多分野生かなと思いました。この暖かさに春と間違えて冬眠から覚めたのかな。

 

これも、ほんの3日前のことです。地元の野菜を売っているところで、いちじくが売られているのを発見しました。いちじくってこの辺ではだいたい8月終りから9月が旬で、10月末には時期が終わるように思います。

やっぱり今年はあったかいのかも・・と思いながら、大好物のいちじくが並んでいるとどんなのか気になります。時期が終りに近いからか、小ぶりなものがほとんどで、完熟していないものも混じっている感じです。だけど、お値段を見たらすごく安い。うーん、おいしいのかな・・・・・・・買おうかやめようか迷っていたら、目に飛びこんできた文字が。

 

 

 

 

 

 

 

ジャム用

 

そう書いてあったら、ジャムにするしかないではないか。

つい、ジャム好きの血が騒いでしまいました。(なにそれ)

 

 

買ってきたたいちじくは、やはり小ぶりで少し青く、硬くてみずみずしくない。

大丈夫かなぁ・・。

それでもひとつ試しに食べてみたら、意外と味は悪くありませんでした。ちゃんといちじくの味がしています。皮をむいた状態でちょうど300g。その半分の量の砂糖と、今年も畑で鈴なりになっているゆずの果汁をたっぷりしぼってジャムにしました。

 

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果実がゴロゴロしているのが好きなので大きめに切ります。



 

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ゆず果汁を入れて煮ると、本当にきれいなピンク色のジャムができました。

果肉が硬いからかあまり煮崩れず、パンの上に塗るんじゃなくてのっけて食べるジャムになりました。そういえば、子供の時から家でジャムを作るときは果物を細かく切ったり、つぶしたりしませんでした。苺の形が丸々残っているジャムとかよく食べてました。煮崩れるかどうかは果物にお任せということですね。

 

「ジャムをのっけて食べる」で思い出したので、ここで私の好きなエッセイを紹介しますね。

 林望著「イギリスはおいしい」です。

イギリスはおいしい (文春文庫)

イギリスはおいしい (文春文庫)

 

「 イギリスの食べ物はおいしくない。」という話はイギリスの方には申し訳ないけれど、イギリスに行ったことがない私でさえ聞いたことがありました。

でも、10代のはじめに読んだイギリスが舞台の物語「ハリーポッター」に出てくる食べ物の描写はとっても魅力的でした。トライフル、ミンスパイ、糖蜜ヌガー、聞いたことがない名前のお菓子がいっぱい。なにか食べたことのないもの、想像もつかない食べ物に出会うと「どんな味がするのだろう」と思う私にとって、聞いたことのない名前の食べ物が載っているだけでワクワクすることでした。

 それから何年かたった20代の初め、古本屋で見かけてタイトルにひかれて読み始めたら一気に引き込まれたのが「イギリスはおいしい」この本でした。

イギリスはおいしい」という題名がついているのに、第一章は「まずは、まずい話から始めよう」で始まります。そのまずい話が、本当にまずそうなんです。(笑)

この章では、イギリスでは「野菜をゆですぎる」ということについて書いてありました。

これは、リーク(長ねぎの一種)のグラタンのレシピについての描写なのですが、

長いまま湯に入れ(なんてことだ!)そのまま三十分以上茹でる。すると、変にフニャっとしたズルズルの、しかし不愉快に筋ばったものができる。

 うわ~。文章を読んでいるだけなのに、ズルズルの食感とか嫌な感じがが想像できてしまいました。

でも、不思議と読み進めている自分がいました。読んでいると味とかが実際してくるわけではないのですが、なんとなく「その食べ物の感じ」がわかる、食べ物に関する文章が私は好きなのだと思います。

 

 それで、「ジャムをのっけて食べる」についてですが、本の中では、イギリスではパンについて

それは主食というよりは、「何かをのせるための台」と評した方がむしろ適切であろうかと思われる。

とあり、もともとジャムというものはパンにつけるために考えられたわけではなくて、果物の保存のため砂糖と一緒に煮詰められたものであって、あくまで主役は果物で、パンはその保存食の果物をのせて食べるための台だ、という話が書いてあったのです。

そこに、なるほどなーと思った私。そういえばジャムが作りたくなるのは、その果物を長く食べたいからだなと思うのです。昔から8枚切りくらいの薄いパンが好きで、カリカリに焼いたパンにつくったジャムを「のせる」くらいにのせたい私。そうか、私は保存食であるジャムを「食べたかった」のだなと。

 

 

今日も読んでくださってありがとうございました(^^)