ヒガンバナがたくさん咲いている道を歩きながら、この花の赤さにうっとりとします。
ハッとするような赤。真っ赤。赤すぎて目立ちすぎて美しいだけではない、正直不気味な感じもしてくるお花だと思います。その不気味さも含めて私は大好きなお花です。(ややこしい人)
調べてみたら彼岸花って、「摘んで持ち帰ると家が火事になる」という迷信があったり、「死人花」なんていう呼ばれ方をしたりと、ちょっと不吉なイメージがあるようです。
そういえば私も、誰に教えてもらったのかいつの間にかヒガンバナは「摘んだらあかん花」になっていました。
つぼみがにゅうーっと出た先につく出たてのつぼみがものすごい濃い赤で、私はこの赤色を見ると、数か月に一度検査で採血する時の自分の血液の色を思い出します。だから美しいだけではなくて、ちょっとグロテスクな感じがするのかもしれません。
しかしながら、血の色、赤は情熱の色。
私は秋って赤が似合うと思います。
高校の時、国語の先生が「好きな季節はいつですか?」と授業中に聞きました。
その時、私は春に手を挙げたけれど、いちばん多かったのは秋でした。
先生は「日本人はね、沈みゆく夕日を見つめるような、少しずつ寒い季節に向かっていくさみしさのような、そういうものを美しいと思うところがあるのですよ。」とおっしゃっていました。
春が好きだった私でしたが、その時のお話はなんだかものすごく腑に落ちるというか、感覚としてしみじみわかるな~と思いました。
小さい秋、小さい秋、小さい秋みーつけた。
この歌、子供の時は聞くと寂しくなるから好きじゃなかったけど、今はさみしさの中の美しい感じを理解できます。
秋といえば夕焼け。
「夕焼けが一番赤いのは沈む直前だなあ」と、高校の時に西の空を見ながらの帰り道、いつも思っていました。
それから何年もたったころ、20代初めの私は何を思ったのか「カラーコーディネート講座」なるものを通信教育で受講しました。こちらは見事に3日坊主ならぬ、3か月坊主くらいで興味がなくなってしまい、課題が進まず期限が切れてしまいました。
なにをやっとるんや~(+_+)
だけど、そのカラーコーディネート講座テキストを読んでいたら、私が高校の帰り道で思ったことは、意外と間違いじゃなかったかもしれない、と思うことが書いてあったのです。
色が見える仕組みについて解説しているところがあり、青空と夕焼けの仕組みについての解説があったのです。
昼間に浴びる太陽光のように無色に見える光を白色光といい、
この白色光をガラス製の三角柱プリズムに通すと、プリズムを通った光は虹のような光になります。これをスペクトルといい、スペクトルには青紫、青、緑、黄、赤、という色が含まれていることがわかります。
昼間の無色に見える白色光は、スペクトルであり、たくさんの色が含まれているのです。
目に見える光は波長の違いによってさまざまな色に見えます。
例えば青や紫は短波長。黄色や緑は中波長。赤色は長波長。
波長が長い光(赤や橙)ほどまっすぐ進み、波長が短い光(青)は大気に浮かんでいる水蒸気やチリなどにぶつかって不規則に散らばります。(散乱という)
昼間は波長が短く散乱しやすい青い光が空全体に散らばり、青空として見え、
夕方になると太陽が遠い位置になり、散乱した青い光は私たちのところまで届きにくくなりますが、散乱しにくい赤い光が届くので赤い空になります。
この夕焼けが見える仕組みを知り、
赤い光というのは、太陽光の「夜になる寸前まで光として見える色」なのだと思うと、
赤い夕焼けがさみしく思えてくるのは、なんだかわかる気がしたのでした。
本日も読んでくださってありがとうございました(^^)