ある日、いつものように電車から降りて駅の駐輪場に止めてある自転車を取りに行くと、自転車たちが見事に将棋倒しになっていました。
ん?倒れ方が、おかしい。
なかなかの範囲が色んな方向に倒れている。
その日はお天気がかなり良くて風は無風に近かった。
駐輪場っていっても無人だし、もしかして・・・。
「むしゃくしゃした誰かのイタズラ」
こんな言葉が頭に浮かんでしまいました。
浮かんでしまうと腹が立ってくる。
薄暗いなか、倒れている自転車の中から自分のを探します。
ほんま、なんやねんこれ。
あった・・・。
・・・もう。
隣の自転車の車輪にハンドルが絡まって、なかなか取れません。やっと自転車を起こしてみたら、かごのネジが緩んでいました。
そのとき独り言が、いや心の声がぼそっと出てしまいました。
「ほんま、なにしよんねん。これ。」
ぶつぶつ言いながら隣を見ると、たぶん同じ電車に乗ってきたであろうお姉さんが同じように倒れた自転車と格闘していました。
私と同じように隣の自転車の引っ掛かりに苦労していましたが、そのあとはただ静かに自転車を起こして、サーっと去っていきました。
イライラした感じを表には出さないその姿に、なんだかスマートさとエレガントさを感じてしまい、それに比べてぶつぶつ言っている自分に少し恥ずかしくなったのでした。
今日も来ていただきありがとうございますφ(..)