台風怖かったですね。
私がパートをしているお店は前もってお休みになったので、一番荒れていた時間には外出せずに済みました。
そして昨日、夕方空を見たらいわし雲。
こんな暑い夏も秋に向かっているのですね。
ところで、私は声楽の勉強をしていたことがあります。
10代のころ、未熟な頭ながらに将来は舞台で歌えるような人間になりたいなどと考えていました。(現在夢破れております)
そのときに出会ったトスティという作曲家の「addio!」という歌が好きです。夏が終わりに近づくと聴きたくなる曲です。
トスティさんの歌曲は伴奏がまた美しい。高校生の頃、レッスン時に先生が弾いてくださるピアノ伴奏のように弾いて自分で歌ってみたくて伴奏も練習した思い出があります。
なんというか儚げな感じがするのです。その儚げなものが一番きれいな時、という感じがします。高校生の私ながらに美しい世界の果て感をトスティさんの曲の中に感じていたのかもしれません。(個人の不思議な感想です。)きれいだなーと思う曲がとにかく多いです。
ブログで文章を書いてみて気づきましたが、私は儚いものが好きみたいです。
このaddio!という曲の始まりは
過ぎていってしまう夏の情景を語り始めます。
そして叫びます
夏よさようなら!
私がグッとくるのはこの2番からなのですが、
この世のすべては断ち切られ、
忘却が苦しみも甘美さも覆ってしまう
ああ希望よさようなら!
個人的にこの部分が好きです。
初めて歌詞の訳を見たとき、忘却は幸せ、苦しみ、関係なく覆っていっていくものだから、そういうものだからねと言っているようで、それは、不安を煽るような感じではなく、逆に大丈夫ですよと言われているような感じが私にはしました。なんだか平家物語の冒頭を初めて国語の先生に朗読していただいたときにもこんな感じがしました。
そして伴奏の雰囲気は変わり、3連符の急かすようなメロディーに変わります。
どうしてぐずぐずしているの、ああ愛しい人よ。
ひとつだけ口づけして立ち去ってしまう。‥‥
貴方の心は宿命的に私のものだから‥‥
この主人公は忘れたくはないのです。でも別れにむかって進む時には逆らえない!
とでもいうようにさらに伴奏のボリュームは上がり、
曲は終わりにむかって進んで行きます。
その中で
永遠にさようなら!
と叫ぶのです。
このさようならが心揺さぶられる!。
あらあら、思ったよりも語っちゃってる私がいました。こんなところまで読んでくださったあなたに感謝いたします。
今になって思うのですが、なかなかドラマチックなことを高校生のときに学ぼうとしていたなと。いや、いまだからそう思えるのでしょうか。あの頃はなんにも理解しょうともしていなかったのかも。
♪Addio!
全音楽譜出版社
トスティ歌曲集1 より